『ウエストミンスター小教理問答 第42、82、86問』 2012年3月18日
問42 十戒(じゅっかい)の要約は、何ですか。
答 十戒の要約は、心をつくし、精神をつくし、力をつくし、思いをつくして、主なる私たちの神を愛すること、また自分を愛するように私たちの隣人(りんじん)を愛することです。
問82 神の戒めを完全に守れる人が、だれかいますか。
答 ただの人は、堕落(だらく)以来、この世では、だれも神の戒(いまし)めを完全には守れず、日ごとに思いと言葉と行いによって破っています。
問86 イエス・キリストへの信仰とは、何ですか。
答 イエス・キリストへの信仰とは、救いの恵みです。それによって私
たちは、救いのために、福音において提供されているままにキリス
トのみを受け入れ、彼にのみ寄り頼むのです。
▽問42「主なる私たちの神を愛する・・・私たちの隣人を愛する・・・」
十戒が求めているのは、愛の中に生きることです。このことに関して適切な答えをした律法学者に対して、主イエスは
「あなたは神の国から遠くない」と言われました。(マルコ12:34)
十戒は、どのような時にも神を愛するとはどういうことなのかを教えています。隣人についても同様です。どのような時にも隣人を愛するとはどういうことなのかを教えています。
▽問82「日ごとに思いと言葉と行いによって破っています。」
「わたしたちがイエスから既に聞いていて、あなたがたに伝える知らせとは、神は光であり、神には闇が全くないということです。」(ヨハネ第一1:5)
そのような神に対して、「自分に罪がないと言うなら、自らを欺いており、真理はわたしたちの内にありません。」(ヨハネ第一1:8)
▽問86「福音において提供されているままに」
福音をそのままに信じるようになるのは、その人の心の中にキリストの御霊が働いてくださるからです。それは、御言葉の宣教によって生み出されるものであり、御言葉の宣教と礼典の執行と祈りとによって養われ、強くされていきます。その信仰によって、人は、御言葉において語られる神を心からおそれ敬って、そこに示されているすべての事柄を真実であると信じるようにされます。そして、御言葉が語りかけるとおりに、命令には従い、厳しい言葉にはおののき、この世の生活においても、死後の命においても、神の約束を信じるようにされます。そして、キリストのみに依り頼むように導かれていきます。信仰によって、今、神と共に永遠に生きる人とされていくのです。