『ウエストミンスター小教理問答 問12』

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『ウエストミンスター小教理問答 問12』

『ウエストミンスター小教理問答 問12』 2012年10月21日

 問12 神は、創造された状態の人に、どのような特別の摂理の行為をとられましたか。

答  人を創造された時、神は人に、完全な服従を条件として命を契約されました。しかし、善悪を知る木の実を食べることは、死を制裁として禁じられました。



神のへりくだり、それが神と人の契約



 神が人と契約をされたということは、神のへりくだり以外の何ものでもありません。
神は創造者であり、人は造られた者です。そのへだたりの大きさを、だれが正しく知ることができるでしょうか。


「見よ、国々は革袋からこぼれる一滴のしずく、天秤の上の塵と見なされる。・・・主の御前に、国々はすべて無に等しく、むなしくうつろなものと見なされる。」(イザヤ40:15、17)


「人間が神にとって有益でありえようか。賢い人でさえ、有益でありえようか。あなたが正しいからといって全能者が喜び、完全な道を歩くからといって、神の利益になるだろうか。」(ヨブ22:2-3)

神への完全な服従は、決して無理な条件ではない



 たった一つのことだけが禁じられました。
最初の人アダムとエバに求められたのは、規則と戒律づくめの生活ではありません。むしろ、自由な生活でした。主なる神は、まずこう命じられたのです。


「園のすべての木から取って食べなさい。」(創世記2:15)

「ただし、善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。」(創世記2:15)

その木から取って食べなくても、生活に困ることは決してありません。喜びや楽しみに欠けが生じるわけでもありません。
「完全な服従を条件とする」とは、神に対して人が越えてはならない一線を示す以上のものではありませんでした。神は驚くべきへりくだりをもって、人とそのような契約を結ばれたのです。そして、契約に従う人々を喜んでくださり、祝福してくださいました。

「見よ、それは極めて良かった。」(創世記1:31)

そのような神との幸いな交わりを失うことこそ、死です。