『ウエストミンスター小教理問答 問15』 2012年11月18日
問15 私たちの最初の先祖たちを、創造された状態から堕落させた罪とは、何でしたか。
答 私たちの最初の先祖たちを、創造された状態から堕落させた罪とは、彼らが禁断の木の実を食べたことでした。
越えてはならない一線
「善悪の知識の木」を食べてはならないのは、神が「決して食べてはならない」と禁じられたからです。その実に毒があるとか、何か悪い性質があるからではありません。それは、ある意味で人の心を試す木でした。神に逆らおうとの誘惑にその身を委ねないかぎり、その木の実を食べることなどできないからです。聖書は、人がその木の実を食べたときのことを、次のように伝えています。
「女が見ると、その木はいかにもおいしそうで、目を引き付け、賢くなるように唆していた。女は実を取って食べ、一緒にいた男にも渡したので、彼も食べた。」(創世記3:6)
その時、彼らは越えてはならない一線を越えて、神の御支配(神が定められた領域)から迷い出てしまったのです。
越えてはならない一線を越えたあと
越えてはならない一線を越えた後、彼らはもはや以前のようではありませんでした。アダムは複雑な言い訳をします。
「あなたがわたしと共にいるようにしてくださった女が、木から取って与えたので、食べました。」(創世記3:12)
自分が食べたのに、エバが悪いと言っています。さらに聞きようによっては、エバを与えてくださった神が悪いと言っているようにも聞こえます。
「神は人間をまっすぐに造られたが、人間は複雑な考えをしたがる」(コヘレト7:29)
神と人との交わり、人と人との交わりが、すっかり変わってしまいました。