『ウエストミンスター小教理問答 問19』

| HOME |
| 論壇 |
『ウエストミンスター小教理問答 問19』

『ウエストミンスター小教理問答 問19』 2012年12月16日

問19 人が堕落した状態の悲惨とは、何ですか。

 答  全人類は、堕落によって神との交わりを失いました。
今は神の怒りとのろいの下にあり、そのため、この世でのあらゆる悲惨と死そのものと永遠の地獄の刑罰との責めを負わされています。



 神との交わりを失った




  神のたった一つの定めに違反したことで、人はいろいろなものを失いました。しかし、もっとも根本的に失ったものは、神との交わりです。

  人は、主なる神が歩く足音を聞いただけで、恐ろしくなりました。そして、園の木の間に隠れました。アダムは、呼びかけてくださる神に答えて言います。

「あなたの足音が園の中に聞こえたので、恐ろしくなり、隠れております。わたしは裸ですから。」(創世記3:10)

足音さえ恐れる。神との交わりがどれほど失われたかを、この上なく明らかにしています。

 しかも、それほどに神を恐れるアダムとエバが隠れたのは、園の木の間です。そんなところに隠れても無駄であることさえわからないほどに、神のことがわからなくなってしまいました。



 闇から光へ



  神の怒りの下で、のろいを宣告されたとき、確かにアダムとエバの心は悲しみに満たされたことでしょう。エデンの園を追放されたときも、悲しかったでしょう。しかし、その悲しみはやがて失われました。恐れも消えました。アダムから数えて七代目の子孫のレメクは、神をも人をも恐れないことを誇って言います。

「わたしは傷の報いに男を殺し、打ち傷の報いに若者を殺す。カインのための復讐が七倍なら、レメクのためには七十七倍」(創世記4:23-24)

そして、今も人類は神の怒りとのろいの下にありますが、その自覚は失われたままです。その自覚をもう一度取りもどすことがあるとすれば、キリストを知るときです。

「光は闇の中に輝いている。」(ヨハネ1:5)